歯周病について
歯周病の主な原因は口腔内の細菌です。まず細菌による歯肉の炎症により歯肉炎が起こります。歯肉の炎症が進行すると骨や歯周組織が失われ歯周病になってしまいます。口臭や歯茎の腫れ、歯が揺れるなどの症状があり、支えている歯周組織が失われることで歯が抜けてしまうこともあります。糖尿病などの全身疾患や喫煙、過度な咬む力等は歯周病の修飾因子とされており、歯周病を治すためには炎症のコントロールとともに生活習慣の改善が必要です。
細菌はバイオフィルムと呼ばれている粘性のある巣に住んでいて直接抗菌剤など薬を使用しても効果が薄いと言われています。歯科医院で機械的にバイオフィルムと歯石を除去すること、歯ブラシや歯間ブラシを用いた日々のお手入れでバイオフィルムを除去することが歯周病を治療、予防する何よりの方法です。成人の約5割が歯周疾患をかかえているといわれており、心疾患や肺炎、糖尿病のリスクファクターにもなっています。全身の健康のためにも歯周病の治療が大切です。
軽度の場合は日々のお手入れと簡単な歯周治療を行うことで改善に向かいます。重度歯周病の完全治癒は困難で多くの場合、元の状態には戻りません。大切なのは機能回復し咬めるようになることと、その状態を持続することです。歯周病は生活習慣病に位置づけされており歯周病に罹患してしまった場合は定期的なメインテナンスが不可欠になります。
歯周病の症例
症例1 歯周初期治療後にメインテナンスに移行した症例
重度歯周病だが、治りやすい歯肉と患者さんの良好な口腔清掃で維持されています。
症例2 右下大臼歯に対して歯の移動と歯周治療を行った症例
右下大臼歯の骨欠損が改善されて、歯の揺れも収まっています。
症例3 重度歯周病に対して歯周外科処置を行った症例
左上小臼歯を支える骨が、レントゲン上で改善されています。